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木村 貴海; 永石 隆二; 尾崎 卓郎; 有阪 真*; 吉田 善行
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.233 - 239, 2002/11
高温高圧水溶液(水熱溶液)は種々の地球環境において見いだすことができるが、水熱条件下でのウランの加水分解,錯形成などに関する実験的研究はきわめて少ない。水熱溶液中で金属イオンの分光測定を行うための光学セルを開発し、時間分解レーザー誘起発光分光法と組み合わせてウラン(VI)の発光特性の測定から状態分析(スペシエーション)を試みた。溶液の温度(298-473K),圧力(0.1-40MPa),pH,配位子濃度などをパラメータとして、ウラン(VI)の発光スペクトル及び発光寿命を測定し、熱力学モデル及びデータに基づいて計算した溶存種分布と比較した。発光寿命の温度依存性から、ウラン(VI)の水和イオン,加水分解種,硫酸錯体,及びフッ化物錯体の活性化エネルギーを決定した。これらの結果から、ウラン(VI)溶存種の計算に用いたモデル及びデータの妥当性を新溶存種生成の可能性とともに議論する。
木村 貴海; 永石 隆二; 有阪 真*; 尾崎 卓郎; 吉田 善行
Radiochimica Acta, 90(9-11), p.715 - 719, 2002/11
被引用回数:15 パーセンタイル:67.86(Chemistry, Inorganic & Nuclear)水熱溶液(高温高圧水溶液)は種々の地球環境において見いだすことができるが、水熱条件下でのf元素の実験的研究はきわめて少ない。水熱溶液中でf元素の分光学的状態分析を行うための光学セルを調製した。この光学セルは、常温常圧から723K及び40MPaまでの温度、圧力をそれぞれ制御できるため、発光及び吸収分光法と組み合わせて水熱条件下でのf元素の酸化還元,加水分解,錯形成などの分光学的研究が可能である。本装置を水熱溶液中のEu(III)に適用し、発光特性(発光スペクトル,発光寿命)の温度・圧力依存性を測定した。発光特性に圧力依存性は見いだされなかったが、約500Kを境に温度依存性が大きく変化した。(1)励起Eu(III)から配位水和水へのエネルギー移動,(2)Eu(III)の加水分解,(3)Eu(III)/Eu(II)平衡などの温度依存性からこの変化を考察した。